みなさん、こんにちは。ガクです。
朗読をしたり小学生の演劇に熱中していたら季節が変わってしまいましたね。
前編(こちら)からすっかり時間が空いてしまいましたが、長岡花火に合わせて富川の実家で行われた?年ぶりのガク&タケ対談の後編をお届けいたします。
(ライターは長岡在住の井上有紀さん!)
それではどうぞ!
タケ
「ガクのそういう、ミッションみたいなものはなんなの?
ミッションというと固いけど、要は何やってるときが楽しい?っていうことですね(笑)」
ガク
「俺は地域に埋もれている文化を次世代や届けるべき人に届けたいってことかなあ」
タケ
「うんうん、それはもうちょっと深堀りするとなんなんだろうね?」
ガク
「うーん、まあもともとは富川屋で生まれて、それまでお得意様しか配っていなかった鮭の味噌漬けをwebで販売しはじめたら喜んでくれる人がいて、あまり乗り気じゃなかった親も元気になってっていう原体験はあるんだよね。いいものを、きちんと届けるべき人に届ければ、その文化や歴史が続いていくというか。
でもこの理由ちょっとカッコつけすぎだなと思って、もっと深掘りしたんですよ、最近(笑)」
タケ
「それだいじ、それが一番だいじ」
ガク
「それで思ったのは…若干ななめうえに行くかもしれないけど、端的に言うと、俺、掃除が好きで」
タケ
「掃除?(笑)」
ガク
「そう掃除(笑)。
なんか、散らかってるものとかはじっこにあるものをこう、箱に入れてあげたいっていうかカテゴライズしたくなっちゃうのよ。中途半端な状態が嫌というか。受験勉強もまずは部屋の掃除をしてから、みたいな(笑)。
打ち合わせとかで話聞いてる間にも、とにかく脳内で整理しちゃうというか、あ、それは靴下ケースねみたいな(笑)。
で、さっきの話とつなげますと、地域のものってさ、もっとこうすれば良くなるのに!とかここに届ければ喜ばれるのにてものが多いじゃない。それって、俺からすると整理されてないっていうか、もどかしく感じることが多いんだよね。
なので、埋もれている地域資源を人に気づいてもらったり、忘れられている文化を知ってほしいという気持ちって、整理したいって気持ちなのかもなぁてとこにたどり着いたんですわ(笑)」
タケ
「それわかるなあ!うちもオヤジの部屋がめちゃくちゃ汚くてですね、よく俺が整理してたの。なんとなく今の仕事にも活きている気がするなあ。
その話を自分なりに整理するとさ(笑)、感覚としては、『身体のサイズに準じたい』ってのがある。たくさんモノがありすぎても、把握しきれないと全部を大事にはできないから。全体像が見えていたいし、見えるくらいのキャパがいい。一日で話せる人の数とかと同じように、それはもう人間のフィジカルな限界に基づいていると思う。
だから何千人もいる大きな企業で働きたいって思わなかったし、てか自分のキャパが小さいだけかもね(笑)」
***
ミッションの話から二人の「整理タイプ」の話になりましたが、とても興味深かったです。
個人的にガクさんの地域に埋もれているものへのもっと詳しいミッションの話を今度聞いてみたいです。
自分のミッションはなにか、この人のミッションはなにかという軸でいろいろなことが見てみたくなりました。
タケのミッションの話 -絞るということではない集中-
タケ
「一緒にしごとさせてもらっている尊敬すべき人たちがたくさんいるんだけど、そういう人たちの『世の中をよりよくしたい』というところにまず共感します。その手段はたくさんあるけどね。
ただそれはボタン一個で変えられるものじゃないから、じゃあどうすればっていうのを分解して、手触りあるくらい小さくしたい。そうしないと自分が理解できないというのもあるのだけど。それで、結局じゃあ世界をよくするもののはじまりは何かっていうと、人なわけですよ。
ガク
「うんうん」
タケ
「人と人が交わって、世界の見方がちょっとずつ変わって、人は動いてると思う。で、その集積が世界なんじゃないかなと。
「Power to the people」っていうジョン・レノンの曲がありますが、そんなふうに人にパワーを与えられる人間になりたいし、人が『動きたくなる状態』にするなにかができたらいいなと思っております。」
ガク
「なるほどね。『見方を変える』って本当に大事。今遠野で「おもしろTONO学」というのをやってるんだけど、一見カタい『遠野物語』を、解説するというより、「どう見方を変えておもしろがるか」を提供してるんだよね。」
タケ
「物質的なモノと『どう見るか』のかけ算がモノづくりだと思うんだよね。コカコーラに爽快感やイメージがなければ、ただの黒いシュワシュワした怪しい液体であるように。
見方が変わると、あんまりくよくよすることもなくなるんじゃないかな。ある親が亡くなった人が『人生で一回しか味わえない悲しみという感情をしっかり味わいたい』って言っていたこともとらえ方、見方だなあと。」
ガク
「わかるわぁ。
ところで、そんな尊敬する方々と一緒に仕事することが多い中で、今、タケは自分に足りてないなと思うことはなにかあるの?」
タケ
「そうだね、一個のことを集中してつきつめるってことがなかなかできてないことかな。
いろんなことを気にしながらやっちゃうんだよね、「把握しておきたいタイプ」の人間の特性かもしれないね。
ラジオの電話生出演もすっぽかしちゃうくらい目の間のことに没頭する人と働いていましたが(笑)
そういう没頭力みたいなのが俺には人生でずっと足りてなくて、それはいい部分もあるけど、30代はもうちょっと没頭したいと思ってます。
20代はいろいろな世界を知りたかったけどね。やりたいことも見えてきたしね。」
ガク
「俺もことあるごとに選択と集中。だなって思う。今も数えたら大小20個くらいの案件を動かしてるから…。
来年はもう少しメリハリをつけて、しぼっていかないとなあ。」
タケ
「まあでも、没頭したい、集中したいってのはあるんだけど、たぶんガクも俺も一個のことを一生やっていくタイプじゃないし、そういう意味では、一個にしぼるっていう没頭よりも、いくつもあっていいけど瞬間瞬間に没頭したいってことなのかも。
法人化しようと思ってなかなか進んでないんだけど、『やること絞ってエッジを立てた方がわかりやすい』ってよくアドバイスもらうけど、
何をやるか決めつけたくないなというね。だってこんなに世の中が変わっていくんだし、決めるなんて難しい。その時これだ!ってものをやっていきたいな。」
***
私も全然絞れないタイプなので、なんだか二人の話を聞いてほっとしたような、少し焦るような。笑
タケさんが最近読んでいる本の中に出てきたフレーズ「人の話は聞くな!」ってなんかとてもロックだなと思いました。揺らされました。
ありたい夫婦のかたち
ガク
「仕事の話が続いたので、つぎのテーマは、我々の横にいらっしゃいますが、「結婚してみて」でどうでしょう?」
タケ
「いいね。僕は2年前に入籍して結婚式は1年前くらいに挙げました。」
ガク
「二人は、夫婦なんだけどソロ活動をしているというか、独立してる感じがあるよね。そういうところどう?」
タケ
「なっちゃん(タケさんの奥様)はどうかわからないけど、いいバランスで生活してます。
もちろん一緒に過ごしたいし大事だけど、ずーっと一緒に家にいて、っていうよりは、せっかくふたりいるんだから、それぞれ違う景色を見てきてあとで分け合おうみたいな感じがあるのね。共有できるものが増える。それはあくまで俺の意見で、寂しくさせてるかもしれないけどね(笑)個を尊重するために夫婦でいられたらいいよね。」
ガク
「俺らも似てるな。
それぞれ違う戦地に行くんだけど、戻るのは同じベースキャンプみたいな。帰ってくるところがあるから戦えるみたいな感じ。
あ、最近二人で手相占い行ったんだけど、『相手(妻)は宇宙人だと思ってください』って言われたね(笑)。自由にやらせなさいって。
俺はさすがに宇宙人とは言われなかったけど、俺(岳)も自由にやりたいことをさせなさい、と妻は言われていたね。あと、夫婦で一緒に仕事するのはあんまりよくないって(笑)。」
***
目の前にいる2組の夫婦は、私の中の「夫婦」という概念をまた新しく壊してくれたような感じがして、私は固定されていた概念が壊されることがとても好きなのですごくよかったです。
その後はどんな結婚式をしたかや、最近ハマっているサウナの話などを楽しくしてくれた二人。
かなり抽象度の高い、ちゃんと自分なりに落とし込んだ話もした後にライトで軽やかな会話もできて、なんて柔軟な人たちだろうと思いました。
タケさんは東京、
ガクさんは岩手県の遠野。
別々の場所にいながらも、お互いに共感する点は多く、けれどもどこか違うところのある二人。
出会ってからたった2時間ではありましたが少し見えてきました。
これまでの二人のことはあまり知りませんが、、二人の話はなんだか「アップデートしている感」があったので、たぶん1年後に話を聞いたらまた新しい話が聞けるんだろうなというわくわく感を持ちました。
それぞれに魅力的で、とにかく二人ともひたすらかっこいい!こんな大人が私の先を走っていると思うと、人生がとても楽しみです。
効率的で合理的で論理的な仕事や話が得意そうな二人、でもそれは決して「感情」や「感覚」を大事にしていないということではなくて、
むしろ「体のサイズを大事にしたい」であったり「応援したいと思う人を応援したい」であったり、そこかしこにまずは自分の感覚を大事にしている感じがありました。
その事実を、かちっとしたインタビューでも取材でもなく、
「気心の知れた2人の対談」という形で目の当たりにできてとてもよかったです!
ぜひこの話を呼んでガクさんタケさんを知る人も知らない人も、今この瞬間の二人の「ゆらし」をとりとめのない対談記事ではありましたが感じていただけたら嬉しいです。
対談後に出てきたのは、テーブルに乗りきらないほどのごちそう!
和食大好きなわたしがひっくりかえるほど美味しいおかずがたくさんありました。ごちそうさまでした。
ガクさんのお母さんである富川屋の奥さんは、誰とでも垣根なく明るく話すパワフルお母さん。近くなのでまた会いに来たいです。
長岡花火をシェアハウスの住民で見ると言ったらトウモロコシを分けてくれたのは、ガクさんの奥さんの万里さん。
おかげで甘いトウモロコシをかじりながら長岡花火を堪能できました!
つたないつたない記事になってしまいましたが、美味しい料理ときれいな花火と楽しく学びある対談というぜいたくな「ゆらし」企画への参加でした!
またどこかでお会いできたら嬉しいです!
長岡へお越しの際はぜひ富川屋か私にご連絡くださいね!笑
「長岡花火にゆらしにきました」 おわり
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