みなさん、ご無沙汰しています。チームゆらしのガクです。
この前フリで一体どこまで自己紹介すれば良いかわからなくなりましたが、新潟県長岡市生まれ、現在は岩手県遠野市でフリーランスでプロデューサーをしながら、74歳の師匠のもと遠野物語を中心とした遠野の文化を活用した取り組みをしている者です。実家の鮭の味噌漬け販売もしていますし、最近は山の神研究家として生きていくことにしました。情報量多め。
「ゆらしにきました」は、そんな私と、相棒の柳瀬武彦ことタケの私的ブログです。ヒッピホップ的な文脈でつけたタイトルですが、そんなオラオラな二人でもないので、謙虚なタイトルに着地しています。東京時代は、月1でいま話したい人とカレーを食べながら話す「ゆらしナイト」を記事にしていました。僕が記事を執筆し、タケがカレー担当です。
そんな「ゆらし」ですが、2016年の岩手移住後は更新が滞っていました。そこで、、
今回、思いついたのが、「いっそ誰かに記事を書いてもらおう!」ということでした。
<記事を書いてくれる人を呼びかけたfacebookの投稿>
こんな投稿で本当に集まる人いるのか…と思いつつ
執筆と編集の時間が取れないのであれば、何か付加価値をつけて書いてもらったらいいのではないかと
そんな自己都合満載な動機でしたが、無事記事を書いてくださる人が見つかり、こうしてガクとタケの?年ぶりかの対談がコンテンツ化されました。マジでありがとうございます。
それでは、そんなゆらしライター募集 企画第1弾のライター、
井上有紀さんによる記事です。
どうぞ!
長岡在住の25歳、井上有紀です。
こんにちは。「ゆらしにきました」のふたりの対談の記事を書かせていただくことになりました、井上有紀と申します。
「ゆらし」のふたりの対談を他の人が記事にするのは初めてらしい!?ということでやや緊張しております。
自己紹介をちょこっと。
私は現在「ゆらし」メンバーの一人である富川さんのふるさと、新潟県長岡市で暮らしています。
もともと東京出身なんですが、2015年に休学して新潟に来たらたくさん素敵な人がいてなんだか楽しくなってきてしまい、夢中で日々を過ごして気づいたら就職も決めていました。現在25歳、4人の同世代と到底おしゃれではないシェアハウスで暮らしています。
そんな私が「ゆらし」のふたりの対談を記事にすることになったのは、日本三大花火と言われる「長岡花火」が開催される3日前、とある人からメッセージが飛んできたことがきっかけ。
「これ興味あるひといない?知り合いが呼びかけてるんだけど今のところ見つかってないみたいで…(富川さんが対談ライターを呼び掛けたFBの記事)」
そう、私はこの対談の日の3日前までこの2人のことを知りませんでした。
お恥ずかしいことに、もちろんこの素敵なブログ「ゆらしにきました」の存在も…!
ただ、実は富川岳さんの実家の割烹「富川屋」が家から徒歩5分のところにあること、新潟に住んでいた富川さんのいとことたまたま仲が良かったことなど、いろいろ頭の中でつながり、これは面白いことが起きそう!
と平日どまんなかでしたが引き受けることにしたのでした。
会場はおもてなし精神たっぷりの富川屋
集合は8月2日午前10時。会場は富川岳さんの実家「富川屋」です。
おそるおそる玄関へ入ると、富と描かれたTシャツで出迎えていただきました。
通された部屋は、宴会場…のような、小奇麗な和室。
7月から猛暑が続く長岡、この日もかなり蒸し暑く、出された冷たいお茶が沁みました。
「いや~今回はありがとうね」
声をかけてくれた富川岳さん(以下ガクさん)は人懐っこい笑顔の優しそうな印象。
簡単に自己紹介しながら、今日の流れを説明してくれます。
ガクさんの相棒である柳瀬武彦さん(以下タケさん)もガクさんの向かいに座り、対談のスタンバイOK。
タケさんは仙人かアーティストみたいな(ごめんなさい)見た目だなと思いましたが、この後その語りの深さと分かりやすさに度肝を抜かれることになります。
テーブルには、12枚のカードが置いてあり、「理想の暮らしかた」「上半期の思い出」など話したいワードがそれぞれに書いてありました。なるほど、この方法話しやすそうでいいなあ。
独立2年目のはなし 「ちょうどいい無茶ぶり」について
ガクさん(以下ガク)
「やっぱり独立二年目の話が聞きたいなあ。
最近のタケが気になってTwitterとかを見返してみたんだけどね、『一番忙しい夏かもしれない』とも書いてたから気になるよね、最近忙しいんですか?」
タケさん(以下タケ)
「独立してから、友達と仕事をさせていただくことも多いのだけど、それはみんな会社じゃなくて柳瀬武彦という人間に対して頼んでくれているわけなのでとても嬉しいし楽しいんだけど、
さすがにこの1か月2か月は本当に1日中働いて休む暇もないくらい忙しくて…それはさすがにどうなのかなと思ってるところです(笑)」
ガク
「なるほどなるほど」
タケ
「今俺はいろんなプロモーションや企画をプロジェクトメンバーとしてやらせていただいているけど、同じような仕事、例えば文章書いたり映像作ったり何かを作る仕事って、必ず仕入れが必要だと思っていて。例えば富川屋も材料を仕入れて料理作って売ってるよね。
それと同じで僕らも目に見えないんだけど新しい材料を仕入れていかないと、なんかおんなじおにぎりばっかり出してるみたいになっちゃうんだよね。それって価値が低いじゃないですか。
会社にいたときは、「これやってみるか?」と上司に言われて「ひゃー!」と思いながらなんとかがんばって、結果成長してるみたいなことがある。
それは振り返ると「ちょうどいい無茶ぶり」だったわけだし、自分が新しいメニューを出すための経験の「仕入れ」につながっていくと思うんだけど、一人だとそれを自分で作っていかなきゃいけないなあと。
例えば、プロデューサーとして仕事をさせていただくときは、チームのメンバーがメニューになったりするので、そのためにいろんな人と出会いたいんだけど、その時間が今年の夏はあまりなくて。」
ガク
「仕入れ、いい表現だなぁ。俺も仕入れる時間取れてない。
新しい知識もそうだし、プロデューサーとしては新しい人との出会いも仕入れだもんね。その人脈自体もプロデューサーの実力っていうか。」
タケ
「今年のワールドカップで日本代表はコンディション勝ちだったという話を聞いたんだけど。
本来持っているスキルとかポテンシャルを発揮できるかどうかってコンディションとのかけ算なんだって。だから全然ダメだった超有名選手もいるわけです。
僕らの仕事で考えると『試合』ってなにかっていうと打ち合わせとか企画とか言葉だったりするけれど、朝起きて眠くていきなり良い企画書書けないじゃないですか。それと一緒だなあと。
で30代だから体力もね。体力とお金と時間、特に有限な時間をうまくコントロールしていきたいなと。1年暮らしていけたので、2年目はさっきの「仕入れ」の話も含めて、もっともっと質を上げていきたいですね。」
ガク
「いや~おどろくべきほど同じ…(笑)
場所が違うだけで、職種も考えも近いからかな。(独立して移住した)遠野だと、仕事と暮らしの境界線が曖昧で。おばあちゃんとしゃべってるこの時間は仕事のなのか?みたいな(笑)。
プロモーションや企画の仕事自体は、応援したい人たちを応援できてるから気持ち的には健やかなんだけど、プライベートとの垣根が曖昧な分、トータルだと業務量は東京時代よりも多いかも…」
タケ
「いや~遠野はそうだろうね…」
ガク
「あと、前職ではwebや映像、キャンペーン系の企画がメインだったけど、
遠野だと媒体が決まってるわけじゃないので冊子やチラシとかの紙もするし、そもそも関わる世界も教育や福祉、建築、農業、音楽、地域文化や歴史までめちゃくちゃ幅広いんだよね。
1年目の実績を見て頼んでくださる人がいたり、もっとおっきいことを頼んでくれたりして。アウトプット中心になっててインプットできてないって課題感はあるね。」
タケ
「でもそういうのがちょうどいい無茶ぶりにつながってるかもしれないよね。
俺もガクほどじゃないけど、オフィスのデザインとかはじめてのこともやらせてもらったり、タケちゃんならそういうのもやるんでしょみたいな感じでね(笑)」
***
(この対談のあとわたしはしばらく「ちょうどいい無茶ぶり」という言葉が頭の隅にありました。ほんとにそうだな~と。閉じすぎず開きすぎず、「ちょうどいい」というのが良いですよね。)
ガクさんのミッションの話 -「整理したい」という二人の根源-
ガク
「俺の役割ってなんだろうっていうのはよく考えるね。
プロデューサーて言ってるけど、つまりは相談事を整理する役割なのかなって。これとこれは一緒だよね、これはこう考えたらどうですか?とか。
そんでもって整理されたところから、デザイナーや周りの力を借りながら具現化させていくというか。タケはどういう立ち位置で仕事してることが多いの?」
タケ
「肩書に縛られたくないなあと思っていたら、何者なのかわからなくなってきてしまったのだけど(笑)
でも今までは、ブランディングやプロモーションのための表現の部分のプロジェクトが多かったけれど、会社内のコミュニケーションとかどう内部に浸透していくかとか、
企業内のコミュニケーションプランづくりに興味がある。当たり前だけど、コミュニケーションって外と中の両方向に浸透していくべきだなって。」
ガク
「なるほど。今、俺は個人事業主という側面と、任意団体でやってるプロジェクトのプロジェクトマネージャーもしていて。
そこで大切だなと思うのは、メンバーのモチベーションや興味領域を大切すること。外に発信して宣伝することも大事なんだけど、中長期的に見ると内側でのコミュニケーションが大事だなぁと感じてるよ。」
タケ
「でも、モチベーションのコントロールがあまり必要ないプロジェクトってあるよね。
今京都のRELEASE;という会社と仕事をさせてもらうことが多いのだけど、そのチームがすごく気持ちがいいの。
で、それはたぶん、プロジェクトに集まるメンバーがそれぞれミッションを持っているからなんだよね。ミッションを持っていて、今やっているプロジェクトはあくまでそれを叶える手段だっていう人が集まるとやっていて楽しいよね。
それは、同じ世界をいろんな角度から見ることができるということでもあるから。メンバーそれぞれに異なる強いミッションがあれば、多様性も出るし…なかなかそのプロジェクトの数回のミーティングの中でミッションは変わらないしね。
『あの人のミッションとこのプロジェクトは重なりそうだな』っていう理由で仕事を頼みたいし頼まれたいなあと。」
ガク
「なるほどね…たしかに、ミッションね」
タケ
「ガクのそういう、ミッションみたいなものはなんなの?
ミッションというと固いけど、要は何やってるときが楽しい?っていうことですね(笑)」
ガク
「俺はもう10年ぐらい同じこと言ってるんだけどさ、地域に埋もれている文化を次世代や届けるべき人に届けたいってことかなあ」
タケ
「うんうん、それはもうちょっと深堀りするとなんなんだろうね?」
ガク
「うーん、まあもともとは富川屋で生まれて、それまでお得意様しか配っていなかった鮭の味噌漬けをwebで販売しはじめたら喜んでくれる人がいて、あまり乗り気じゃなかった親も元気になってっていう原体験はあるんだよね。
いいものを、きちんと届けるべき人に届ければ、その文化や歴史が続いていくというか。
でもこの理由ちょっとカッコつけすぎだなと思って、もっと深掘りしたんですよ、最近(笑)」
タケ
「それだいじ、それが一番だいじ」
ガク
「それで思ったのは…若干ななめうえに行くかもしれないけど、端的に言いますと、俺、掃除が好きで」
タケ
「掃除?(笑)」
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